駐日ネパール特命全権大使 ガネシュ・ヨンザン・タマン閣下スピーチ

このページを印刷する

2009年2月4日に、前駐日ネパール特命全権大使 ガネシュ・ヨンザン・タマン閣下より頂いた
スピーチの内容をご紹介いたします。

駐日ネパール特命全権大使 ガネシュ・ヨンザン・タマン閣下

私は世界の最高峰であるエベレストと仏陀の生誕地ルンビニの国の人々からのご挨拶と気持ち、および愛と平和のメッセージをここにお伝えいたします。これからのさらなる皆様の発展と皆様が新たなる事業を通して、文化や日本とネパールの人々の関係を深めていくことに役立つことを心から望んでいます。

皆様方はすでに最近のネパールが政治的に大きく変わったことをご存知だと思います。この国は連邦民主共和国であることを宣言しました。(主権が国民に移管されました。)
主権を持ったネパールの人々は国内の平和と安全および法と秩序を回復しました。
現在、世界各国の観光客は自由に快適に心置きなく安心してネパールを訪れ、楽しむことができます。

しかし今日、ネパールでは数千人の学童が教育の基本的権利すら与えられていません。子供達は未だに清潔な飲料水や、安全で快適な住まいがない暮らしです。1987年に日本の皇太子殿下徳仁親王がポカラを訪問されたとき、ネパールの女性と子供達が遠くから水を汲みにやってくるのを見たことに驚いたと述べておられます。

今、20年以上経ってもネパールの女性と子供達の立場や状況は改善していません。しかしネパール政府はすべての市民に教育を施すと約束し、中等レベルの教育を無料にすると宣言し、そして清潔な水、安全な住まい、健康を求めることは人民の基本的権利であることを宣言し、政府はそれを実施できるよう一生懸命努力しています。
我が国は、今まだ底辺の困窮からの段階を進んでいるところです。政治的自由を求める奮闘は終わりましたが、貧困と開発化への取り組みは始まったばかりです。

ネパールは自然と文化と文明が共存する魅力的な国です。ネパールには世界最高峰のエベレスト、世界で3番目に高いカンチェンジュンガと他の7つの高峰を含めて多くの1年中雪を頂く山々があります。数千の自然の小川、数百の河川、および数十の美しい湖と池があり、ネパールは世界中から数百万人もの観光客が訪れる美しい普遍の自然の楽園となっています。

魅力的な文化、風習および伝統を持つ60以上の民族が住んでおり、ネパールはさまざまな民族、文化および集落が混在する美しい田園と見られています。豊かで多様な文化と風習により、ネパールは世界の観光客を魅惑する場所になっています。

またヒンズー教と仏教が合流し、共存しているのもネパールの際立った特徴です。数百のヒンズー寺院と仏塔および仏社が共存しています。平和、非暴力および博愛の教えを得て、世界に広めた仏陀は、ネパールのルンビニで誕生しました。したがってルンビニは世界中の全仏教徒にとっても聖地になっています。

ネパールの首都カトマンズはネパールの文化の中心です。カトマンズから西に約200キロ離れたポカラも、自然と冒険のユニークな低地です。ポカラはカラフルですばらしい自然美に恵まれた印象的な場所です。トレッキングと急流下りの冒険の出発点としても人気のある場所です。
高さ1592メートルのサランコットの丘はポカラに近く、トレッキングと旅行に魅力を添えるもうひとつの場所です。
そこからマチャプチャレという魚の尻尾の形の峰および、美しいフェワ湖のすばらしい眺望を望むことができます。旅行者はヒマラヤ山脈の壮大な景色を眺め、この地のユニークなエスニック文化と風習および美しい農村を体験します。ネパールにはほかにも訪れて体験すべきいくつかの観光地があります。文化的な歴史と建築物の財産に恵まれたネパールには、誇るべき7つの世界遺産もあります。

私は、賓客、友人およびネパールに好意を寄せる多くの人々がネパールを訪れ、ネパールの美しく印象的で色彩豊かな場所を一目見て欲しいと心から願っています。

最後に、ネパールのサランコットの農村に在住する女性達の暮らしの永続的発展に向けて、その活動に一生懸命努力する女性たちを助成し、サポートするために、フォーデイズが設立してくれたこと、そして「女性の能力開発プロジェクト」に対して心から感謝いたします。

この機会を利用して、ネパール政府とネパール人民に代わって、卓越した代表と、代表とともに支えてくださるメンバー全員に心から感謝を表明いたします。私はまた、ここに参加された皆様が全員、フォーデイズ社の人道的で創造的で思いやりのあるこのプロジェクトに関わっていただき、貴重なプロジェクトに寛大な援助を提供していただけるように願っています。

2009年2月4日 大阪

駐日ネパール大使からのメッセージ

このページの先頭へ戻る